歯周病

日本においては犬の3歳以上の80%が歯周病にかかっているとも言われています。

歯垢や細菌が原因となり、歯肉炎や歯石が進行し最終的には歯が抜け落ちたり、痛くてご飯が食べられなくなることもあります。

また、鼻と口を隔てる骨が溶けてしまうことで鼻炎になり、くしゃみ、鼻水がひどく出ることもあります。

治療及び予防としてスケーリングや抜歯を行い、口腔内を清潔に保ちます。

抜歯後は様々な方法で縫合をすることがあります。

 

 

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は名前の通り、子宮に膿がたまってしまう病気です。

発見が遅れると、死に至る可能性があります。

一般的に未避妊で中年齢以上が罹患します。

とくに発情(生理)後、1−2ヶ月の間はホルモンの影響でこの病気になりやすいので注意が必要です。

症状としては、元気や食欲の低下、嘔吐、下痢、多飲多尿、発熱、陰部から膿が出てくるなどが挙げられます。

治療の第1選択は外科的に卵巣子宮を摘出することです。

状況によっては内科治療を選択することもありますが、

完治させるには手術を行うことが最善です。

※子宮蓄膿症は、避妊手術により予防することができる病気です。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症とは、中〜高齢の小型犬に好発する心臓の病気です。

 

僧帽弁と呼ばれる心臓内を区切る弁が変形してしまい、うまく閉じなくなることで、

心臓内で血液の逆流が生じます。

 

そのまま放置してしまうと、心臓がどんどん大きくなり、咳が出たり動きたがらなくなったりといった症状が見られるようになります。

最終的には肺に水が溜まってしまう「肺水腫」という病態に進行してしまうこともあり、この状態になると呼吸ができなくなって命に関わります。

胃内異物

犬猫は消化できない物質や通過できない大きさのものを誤食してしまうことがあります。

喉から出る大きさ、鉗子で掴めるものは内視鏡で摘出します。

 

大き過ぎるものは手術で摘出します。

 

椎間板ヘルニア

我が国ではダックスフンドで1番多い病気です。

人にもある病気なので名前は馴染み深いですが人との体の構造の違いで人にはない病態も起こします。

当院では大まかに言って起立歩行できるものは内科治療、起立歩行できないものを外科治療としています。

外科治療を行う場合CTあるいはMRIで場所を特定してから手術を行っています。

運悪く生涯のうちに何回か繰り返す子もいます。

予防は太らないこと、階段を昇降しないことなどが挙げられます。

下顎の腫瘍

アゴにも腫瘍ができることがままあります。

大きいものは良性悪性にかかわらず物理的にご飯が食べられなくなったりそこから出血したり細菌に感染すること等によって衰弱死を招きます。

腫瘍ができた部位、悪性度に応じて顎の骨ごと切除することもあります。

そのような大きな手術後も本人は普通通り食事が摂れるように治療して行きます。

写真は下顎1/4強を切除した手術後です。

外観上も機能的にも問題ありません。

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢内にゼリー状の不純物が溜まる病気です。人で言う胆石が近いイメージです。

近年発見される機会が増えています。

ゼリー状のものが胆道に詰まることや胆嚢自体が破裂することで劇的な症状を出します。

根本的には手術が必要となることが多い病気です。

 

肥満細胞腫

犬、猫ともにメジャーな腫瘍の1つです。

基本的には悪性ですが悪性の度合いはかなり幅がある腫瘍です。

そして悪性腫瘍としての性質の他に胃酸を多量に放出させ胃潰瘍などを起こしたり、腫瘍周辺の掻痒感、痛み、腫れなどを引き起こすことがあります。

治療は内科、外科、放射線がありますが多くは手術が第一選択となります。

普通の腫瘍より大きめに切ることが多いです。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は犬で最も多い腫瘍で猫でもメジャーな腫瘍の1つです。

犬では約半分が悪性、猫では約9割が悪性とされています。

治療の第一選択は手術になることが多い病気ですがその前に中の細胞を見る検査をすることもあります。

切除法は数種類のうちから最適なものを選択しています。

また、若いうちに避妊手術を行うと乳腺腫瘍になりにくいと言われています。

免疫介在性溶血性貧血(IMHAとNRIMA)

主に犬の貧血疾患で現在日本に多いミニチュアダックスフンドによく出る病気です。

ほとんどは集中的な内科治療が必要となります。

赤血球が壊れる再生性とその前の段階で骨髄内で壊される非再生性があります。

骨髄の検査をすることがあります。