月: 2024年5月

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢粘液嚢腫は、粘液(ムチン)を含んだ胆汁が過剰に分泌され、
ゼリー状物質となり胆嚢内に蓄積する病態です。
発生機序はまだ明らかになっていませんが、
「高脂血症、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症」
などの基礎疾患を持っているわんちゃんでは、発症しやすい傾向があると報告されています。
進行すると胆管閉塞や胆嚢破裂を起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。

 
症状には、嘔吐・下痢などの消化器症状や食欲不振などがありますが
無症状であることが多いとされています。
胆管閉塞や胆嚢破裂を引き起こした際は、黄疸も認められるようになり
緊急的な手術が必要となります。
 
血液検査では、肝臓の数値の異常が顕著に出ることがありますが、
診断には超音波検査が有用です。
 

 
正常な胆嚢エコー画像


胆嚢粘液嚢腫のエコー画像
 
内科的治療では、胆汁の排泄を促進する薬や抗菌剤、肝臓を保護強化する薬などの投与、
低脂肪の食事療法などを行いますが、改善することは稀であり、
根治させるには胆嚢を摘出する外科手術以外に方法はありません。
 

胆嚢の病気は初期症状が出にくいため、飼い主様が気づかれることが難しく、
偶発的に見つかることが多いため、早期発見および早期治療が重要となります。
特に、中高齢(7歳以上)のわんちゃんは、定期的な健康診断をお勧めいたします。

変形性関節症

人と同じく、犬や猫も歳を取ったら関節の節々が痛くて
動きが制限されるということがあります。
そうなると、大好きだったはずのお散歩に行きたがらなくなったり、
ベッドやキャットタワーに登れなくなってしまうこともあります。
 
 
これは動物たちのQOL(生活の質)を維持する上でとても重要なことです。
症状の出方は犬と猫で違うため、下記をご参照ください。
 
 

寝起き・動き始めがぎこちなく、全体的に歩くスピードも遅くなってきた
階段の上り下りができなくなってきている 
     …等、痛みを感じさせるような症状が出ている
 

睡眠時間が長くなり、動きたがらない
触られるのを嫌がるようになった
依然と比べてジャンプの回数が減った 
     …等、性格や行動が変わってきたと感じる
 
 
この疾患は、発症から時間が経てば経つほど炎症を起こした関節が変形してしまい、
痛みがどんどん増していくという特徴があります。
この痛みを注射薬、もしくは内服薬にて緩和してあげることで、
依然と同じような活発な行動が見られるようになる可能性は十分にあります。
お薬としては以下の写真のようなものになります。
 


内服薬
 

犬用注射薬(4週間ごとに注射)
 

猫用注射薬(4週間ごとに注射)

 
症状や性格によってこれらの薬を使い分けつつ経過を追っていきます。
また、サプリメントの併用をおすすめする場合もあります。
 
 
もちろん高齢になればなる程、他の病気との鑑別をしっかり行う必要がありますが、
12歳以上の犬での罹患率は20%、同じく12歳以上の猫での罹患率は90%を超えるとの報告もある疾患ですので、
思い当たる症状があれば、是非当院へご相談ください。